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アイドル批評空間

アイドルについて少し掘り下げて考えるブログ

【第1回】アイドル批評とは何か ~Especiaのメンバー卒業に寄せて~

――なぜ突然ブログを?

 

表題にも書いたんですけど、昨日Especiaっていうグループのメンバーが三人卒業したんですよ。まぁ、卒業はアイドルにつきものですけど、やはりいろいろと思うところもあるわけです。でもそれをぶつけるアイドル友達みたいなのがいない(笑)。それでやむなく自己満足のためにブログに書き残すか、という感じですね。

 

 

――なるほど。僕もそのニュースは一応耳にしていましたけど、やっぱりショックなものですか?

 

一応ショックではありますけど、とはいえEspeciaの現場は、この前〔注:2月26日〕の味園ユニバースを含めても、2回しか行ってないんですよね。それでよくお前こんなブログ書き始めたなと言われそうですけど。

 

――え、それなのに書きたいことって何なんですか?

 

やっぱり、卒業とかを目の当たりにして、自分も含めファンの人たちがかなり落ち込んでるのとかを見たときに、どうしても今のアイドルというジャンルが置かれている状況を考えざるを得ないわけですよね。端的に言えば、全然割に合ってない。Especiaにしたって、もっと売れてたら今回のようなことにはならなかっただろうし、仮に解散するにしても、十分やり切った後なら見てる側も納得できるじゃないですか。これ聞いたら怒る人もいるでしょうけど、例えばPerfumeだったら今日解散が発表されても、「どうぞどうぞ」って感じですよ(笑)。

 

――Perfumeは初の武道館公演が終わった時点ですでに一回燃え尽きましたからね(笑)。それはともかく、成功するのが厳しいのは別にアイドルだけじゃないのでは?

 

それはそうでしょう。でも、この「割に合わない」っていうのは、別に金銭的な面だけのことじゃないんですよ。ただ、このことを説明し切るにはかなり多くのことを論じないといけないので、またいずれ論じることにします。ともかく、どうしても私が気になってしまうのは、アイドルについての言説、つまり、アイドルに関する様々な世間(アイドルファンもそうでない人も含む)の評判とかコメントのことです。私からすれば、一面においては十分すぎるくらいのことが言われている。しかし、またある一面では、必要なことがほとんど言われていない。

 

――急に抽象的ですね。もう少し説明していただけますか。

 

じゃあ、「十分すぎるくらいのことが言われている」の意味からいきましょう。これは、具体的にはアイドルをあまり知らない人が実情とはかけ離れたステレオタイプに基づいて行う批判や称賛、さらには、アイドルの楽曲の音楽的な評論のことを念頭に置いています。前者については、アイドルファンなら誰しも歯がゆい思いをされたことがあると思うのでわかるかと思います。後者は、宗像さん〔注:宗像明将氏〕とか宇多丸さんのような音楽に詳しい人が、ついつい(?)アイドルの楽曲を評論するといったようなことですね。アイドルに関するブログでも、こういう記事をちょくちょく見かけますね。

 

――確かに、アイドルに関してはかなり誤解があると思いますし、「楽曲派」なんて言葉もあるぐらいなので、アイドルの楽曲にまつわる言及は多いですね。では、「必要なことがほとんど言われていない」のほうは?

 

これはざっくり言えば、アイドルというジャンルそのものについての考察が少ないということ。もちろん注目すべき論者もいます。さやわかさんとか、斧屋さんとか、香月さん〔注:香月孝史氏〕とか。でも、さっき言ったようなことに比べたら圧倒的に少ない。どうしても楽曲の分析だったり、ブログだったら自分が推しているグループを持ち上げたりということが多くなる。もちろんこれはこれで素晴らしいことで、私には到底書けないようなものだらけなのですが。

 

――じゃあ、どうしろって言うんですか?

 

わかりやすいのでブログの例で話すと、多くのアイドルに関係するブログは、たとえ批判的なことを書いてたとしても、それってそもそもそのグループがあまり好きじゃないか、好きだからこそ物申す的なことかのどちらかじゃないですか。でも、私が考えたいのは、称賛するにせよ批判するにせよ、そのグループそのものやその活動が、アイドルというジャンルに何か新しいものをもたらしているのか、ということなんです。別にみんながそういうことを考えろ、と言うつもりはないです。そんなことばかり考えて現場に行ったら、心から楽しめないだろうし(笑)。でも、もうちょっと考えませんか、とは思ってしまう。この問題意識を共有してくれるもっともっとアイドルに詳しい人はいないのか、と。

 

――ちょっと気になったんですけど、もしかしてそんなにアイドルには詳しくない?(笑)

 

せいぜい月に一度何かしらの現場に足を運ぶ程度ですね。それに音楽的な知識もあんまりないですし。一応周囲の人たちには「アイドル好きの人」として認識されてはいますけどね。とにかく話を戻すと、文学とか芸術の世界のような「批評」のあり方が、アイドルにおいてももっと追究されるべきではないか、と思っているわけです。

 

――なるほど。それが表題の「アイドル批評」の意味なんですね。

 

そうです。だから冒頭に取り上げたEspeciaにしても、もちろん評価はしてるんですけど、だからといって手放しに称賛するというスタンスでもない。ただ、このあたりのことを話すには、私の議論の前提をもっと説明してからじゃないとだめなので、今はやめておきます。またいずれかの機会に、Especiaのメジャーデビュー1stアルバムである「Primera」のライナーノーツ分析についてまた話します。

 

――ライナーノーツの分析は面白そうですね。しかし、あなたが定義する「アイドル批評」はまだ完全には理解できていないですね…。

 

それはそうですよね。まだまだ話し足りないので、とにかく実際に私の批評の内容を今後聞いていく中で、理解していってもらえるとありがたいかな…。

 

――そうですね。今後の記事に期待することにしましょうか。とりあえず最後に次回の予告をどうぞ。

 

はい。次回は、今のアイドルについての私なりの定義についてお話しようかと。少なくとも私の問題意識がどんなもので、なんでこんなにごちゃごちゃとうるさいことを言っているのかを少しは理解していただける手掛かりにはなるかと思います。あと、フィールドワークの記録〔注:ライブ観戦の記録のこと。彼はライブのことをわざわざ「フィールドワーク」と呼ぶ。〕や書評もたまに載せるかもしれません。まぁ、Especiaの卒業による心のモヤモヤの勢いで書いているので、この勢いがいつまで続くかはわかりませんが(笑)。でも、この前のライブでもなり〔注:脇田もなり、Especiaの元メンバー〕と握手できたので、それを心の拠り所にして、できるだけ頑張ってみます。

 

――そうですか…(笑)。とにかく今回はありがとうございました。次回またお話しできるのを楽しみにしています。